「発酵食品」昔ながらの知恵で食品を食べきる工夫


「発酵食品」 昔ながらの知恵で食品を食べきる工夫
東京在住 山口 茂子


みなさま、こんにちは。東京在住の山口茂子と申します。

あまり大きくない冷蔵庫で暮らしているわたしは、野菜をかしこく活用して、きちんと全部食べきるのにはどうしたら良いかをテーマに前回は干し野菜について書かせていただきました。

実は以前、ある町で生ごみを分別して収集するという実験をするお手伝いをさせていただいたことがあります。その町は、どこの家でも畑を持って何らかの野菜を育てているという都心部とは少し事情が異なる生活が営まれている町でした。家庭から排出される生ごみの中には、実はかなりの割合で、手つかずの食品が含まれていることを、みなさんも3Rの講習などで耳にされたと思いますが、この町の場合は、手つかずの冷凍食品やお惣菜類などよりも、食べきれなかったと思われる大量の白菜がやたらと目につきました。なかには漬物にしたところ食べきれなかったのか、ずっしりと水気を含んだ白菜がごろごろとビニール袋から出てきたところも見受けられ、もったいなさに呆然としましたが、自家菜園から有り余る量が収穫されるとこのようなことになるのでしょうか。

さて、わたしの住まいには自家菜園はありませんが、毎週届けられる季節の旬の野菜をいかに大切に消費するか。「干す」の次は「漬ける」です。漬けるといっても、ある程度温度管理は必要なので、わたしの住んでいる賃貸の住まいでは、それなりに冷蔵庫は必要になってはきますが、昔ながらの古い住宅に住んでおられる場合は、冷蔵庫でなくても温度管理ができる場所があるようです。農家さんに嫁がれた方のお話でこのことを知りましたが、日本の古い住宅の機能も見直されるところがあるのかもしれないですね。

今回は、場所をとる上に日々の管理が大変な糠漬けでなく、三五八漬けに挑戦してみました。三五八とは塩と麹と蒸し米を三・五・八の割合で混ぜたものでこれに水を足して野菜を漬けるだけで、いたって簡単です。野菜は半日くらいで食べられるようですが、一晩くらいおいてもいいようです。夜、使い切らなかった半端野菜などを漬けて、翌朝お弁当にするというサイクルがちょうどよく、とても重宝しています。保存は冷蔵庫ですが、適当な大きさのタッパーなどで十分なので冷蔵庫の片隅におさまっています。

大根余ったな、人参食べきれなかった、でもそろそろ食べてしまわないと風味が落ちるかも、というときは、さっと干したり、漬けておいたりして翌日のおかずにしたり、数日間小分けにいただいたりするのもいいと思います。茹でて冷凍庫に入れてしまうのも一つの方法かもしれませんが、もし今震災のときのように電気がこなくなったら、冷凍した食品はどんどん傷んでしまうけれど、干し野菜や漬物ならばしばらく食べて凌ぐことが可能です。漬かりすぎてしまったら、それを活用したレシピもできます。
もちろん野菜だけでなく、魚やお肉を干したり漬けたりすることもできます。今日は、和食屋さんの店先でお魚を干しているのを見かけました。

日本には昔の人の知恵が、まだまだたくさん眠っているような気がします。もっといろいろ知って活用していきたいと思います。どうもありがとうございました。



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