「場産業の繊維資源循環が創る 『誰一人取り残さない』リデザインプロジェクト=地域発エシカル」 加藤 美奈 株式会社Comodo LABO 代表取締役
私が事務局を担当しているリデザインプロジェクトは、地場繊維産業が不要とし廃棄される生地などを材料に、地域のデザインを学ぶ学生が作成した作品をコンテストで選び、地域の障がい者が作業所で商品化し、地域の小売店舗で販売するという、地域の主体が繋がるパートナーシップです。2009年に始動し、企業・団体、学校、障がい者施設、販売店舗など現時点で66社が参加しています。 地域の繊維素材を廃棄することなく「エシカルなものづくり」に活かすことで、地域資源循環「サーキュラーエコノミー」を実現し、繊維業者の開発担当者が学校を訪れ、若者達に循環資源がどの時点で発生しているかなどの生きた教育を実施し、地域未利用繊維素材で再び魅力ある製品を生み出してもらいます。今まで廃棄予定の約1万m、約3tの素材を使用し、3.26tのCO2を回避しています。 地域産業の資源循環×若者のセンス・アイデア×障がい者就労機会創出×消費者の共感によるエシカル消費を具現化したプロジェクトです。 最近、新しい企業の参加希望があり、その会社の若いデザイナーと話したところ、彼女は他の企業と協働でアップサイクル事業も担当しているということでした。企業にアップサイクルを担当するデザイナーがいるということにとても驚いたのですが、もっと驚いたのは彼女が学生だった2017年に、リデザインプロジェクトで入賞していた学生だったのです! 学生の時にプロジェクトに参加することで、もしかしたら少しでも影響があったのではないかと、とても嬉しくなりました。 リデザインプロジェクトははじめて15年。これからもたくさんの人にエシカルを「知って・共感し・買い物行動に繋げる」活動を続けていきます。 検定を受けて下さったみなさんは、もうすでに一歩を踏み出しています。皆さんと一緒に行動することで、とても大きな環境活動になると思っています。 |
加藤 美奈
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【プロフィール】
加藤 美奈
株式会社Comodo LABO 代表取締役
愛知県あま市七宝町出身。2000年頃から企業の行う環境・サステナビリティー・社会貢献活動の企画立案、運営に携わっており、より地域に根差した環境学習を行いたいと考え、2015年に株式会社Comodo LABOを設立。企業や団体のSDGs・CSRに関わる活動の伴走支援を行う。環境省登録・環境カウンセラー、デザイナー。