「ポストコロナと環境活動」 村岡 良介 (一般財団法人日本環境衛生センター 技術審議役/ニュースレター「R」でつながる 編集長) 新型コロナウイルス感染症は、未曽有のパンデミック(世界的流行)となり、その感染拡大を抑制するために、人や物の動きが強く制限され、需要と供給両面の経済活動が停滞し、全世界で経済が低迷するという異次元の経済危機に発展しました。 この新型コロナウイルスが変異を繰り返すうちに、国内では感染症による取り扱いが変わり、日々報道される感染者数の増減に一喜一憂することも殆ど無くなりました。経済は緩やかながら回復局面にあると指摘され、時間はかかるだろうけれど、復旧から復興に向けて社会が動き出していることを生活の中でも実感する場面が増えました。 「ポストコロナ」という言葉は、新型コロナウイルス感染症拡大禍においても早い時期から聞かれました。オンライン消費や巣ごもり消費のような新たな消費活動が胎動し、ライフスタイルに変化が生じ、テレワークやオンライン交流が普及しました。ミニマムライフに象徴されるようなシンプルな暮らしがより好まれるようになったとも言われます。「元には戻れない」要素と新たに取り入れられ、普及する条件を前提に、変化に適応しながら、生活で、地域で、職場で、社会で、復興を目指したポストコロナの環境活動を始めましょう。 3R・低炭素者社会検定の創設に尽力された高月紘京都大学名誉教授によれば、この検定の目的は、「知の獲得」・「知の連結」・「知の実践」によって環境保全の課題を達成することです。その取り組み方にも変化が見られます。テレワークの需要はインターネット社会を拡大し、オンライン交流を日常化しました。携帯電話があれば、居間で寛ぎながら、移動中の電車内でも、様々な知の獲得ができます。セミナーや講演会は、会場に行くための時間と費用と労力を費やすことなく視聴できます。Webミーティングシステムを利用すれば、国内外各地の人と交流できます。「知の獲得」と「知の連結に」活用しましょう。本検定もオンラインで試験対策講習を実施し、合格者ミーティングも全国から参加できるようになりました。 これから活動しようという人も、まさに先端で活動中の人も、「聞いて知る」、「見て知る」、「話して知る」ことに注力し、問題の背景や解決策の理解を深め、意識と意欲を高めましょう。このニュースレターも、全国からそのための情報を集めて提供します。情報を集めて、取組を発信し、「知の実践」にも活用してください。
| 村岡 良介
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【プロフィール】
村岡 良介(むらおか りょうすけ)
1956年神奈川県川崎市出生、横浜市在住
一般財団法人日本環境衛生センターに43年勤務し、廃棄物に関する各種調査
研究、広報・研修・出版事業に従事。経験を活かして講演・執筆活動に注力。
2020年『廃棄物処理業における新型コロナウイルス対策ガイドライン』を草稿。
2023年「村岡環境カウンセラー事務所」を開設した。
地域では、自然を楽しむ会を主宰し、町内会長を務めている。
(3R・低炭素社会検定運営委員、ニュースレター編集長)