「リユースの多様化と問題点と解決に向けての取り組みと 波多部 彰 私共、日本リユース機構(JRO)は2005年からのPSE問題※に決着が着き、中古品も今まで同様に販売できることになりました。その際に健全リユース促進の為に経産省から依頼をされ、2006年リユース業界の窓口として設立された団体です。 その当時はリユースという言葉より、リサイクルショップの名前が浸透しており、今でもリユースショップをリサイクルショップと認識されていらっしゃる一般消費者の方々が多いのではないかと思われます。 ※PSE問題:旧来の電気用品取締法が、電気用品安全法として、2001年(平成13年)に改正施行された際に、経済産業省が「PSEマークが付されていない中古電気用品も販売規制の対象となる」との解釈を打ち出したため、これに対して、消費者や中古品販売業者などが反対運動を展開、社会問題化した。 一般の消費者の人達には簡単に言いますとリサイクルは「資源再生」、リユースは「再使用」、製品の延長使用とお話をいたしますとご理解をしていただける感じです。 日本リユース機構の会員には、総合リユース(店舗型、ネット型)、古着、オフィス家具、本、レコードCD,整理片付け、葬儀、便利屋等様々な会社が参加しており、一般家庭や各企業様から排出される使用済み製品をリユース品として流通させることにより、これからの持続可能社会構築に貢献しております。 設立当初のリユース業界はコンプライアンスも無く感覚で安く買って高く売る人たちの集まりと思われておりましたが、その後のリユースショップはその成長に早く気付いた人たちが営業努力を重ね買取りシステム、販売システム等を構築していき今ではリユースショップの中でも株式上場をしている会社が多く排出されるようになっており、今でも上場準備をしているリユース会社も多くみられます。 今ではリユースショップの人達が商品仕入れに対して幅広く行うようになり、各企業様の在庫品買取りを始め各量販店様と下取り品のリユース買取り提携も増え、現在のリユースショップには、上場企業の影響もあり、コンプライアンス重視の安心安全の健全経営を行っている企業店舗さんが増えて来ております。 その中で遺品、生前整理も出てきており、また一般家庭への訪問買取りが新たなジャンルとして増えて来ております。 ただし、遺品、生前整理や訪問買取りの中での問題点も多く出てまいりました。 国民生活センターに一般消費者からの相談も増え特定商取引法違反の事業者もまだまだ多くいるのが現状です。 これら違反業者摘発は難しく、リユース業界の中からの自浄作用を目指すために、各関係省庁と共に勉強会を開催して、一般消費者、各企業の方々利益損失にならないよう、また国益を考えながら取り組んでまいります。 【日本リユース機構の方向性】 | 波多部 彰
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【プロフィール】
波多部 彰(はたべ あきら)
一般社団法人日本リユース機構(JRO) 代表理事
1959年 熊本県生まれ
元ビジネスホテルコンサルタント(ホテル備品交換の際にリユース業界と提携し中古品に携わる)
2006年からのPSE問題時にリユース業界に頼まれ経産省との話し合いに参加、日本リユース機構設立時に経産省から参加要請を受け、理事就任、関係省庁とのリユース促進の為に活動し、2011年代表理事となり現在に至る。