Vol.157「「あわい農園」はじめました。」 松本 高秋


「「あわい農園」はじめました。」

松本 高秋(環境事業協会)


 


 最近私ども環境事業協会から本コラムへの投稿の頻度が高くて、少し心苦しく感じています。が、今回もしっかりと発信させていただきます。
 本稿でお知らせするのは、当協会がSDGsの実現をめざして独自のアクションとして取り組む自然農園事業「あわい農園」です。
 めざすところは「食と農から未来を変える!」です。
 農業体験を目的としているのではありません。食と農、自然と暮らしのつながりを感じる。土や植物、生き物に触れる。そして何よりもみんなで作業する。それをつうじて生きる力を養うこと、支援を必要とする人にとっての一助となること、そのような願いを込めて始めました。
 場所は大都会である大阪市の鶴見区にある花博記念公園鶴見緑地の一角。公園の運営事業者様のご厚意と設置者である大阪市建設局様のご理解によって園内に一区画をお借りすることができました。

 ところで、“あわい”ってなんやのん?ほとんどの方が持たれる疑問です。私自身も疑問に感じました。
 名付け親の担当スタッフによると → 「『間』と書いて『あわい』と読みます!」
 間には「あわい」という読み方があるのだそうです。物と物のあいだ、事と事の時間的なあいだ、人と人のあいだからさまざまな「あわい」が生まれる農園。そんな思いを込めて名付けました。
 この「あわい農園」は、3つのSDGsアクション[①都市の循環農 ②こども食堂支援 ③はたらく支援]で地域の未来をはぐくむ農園です。
 農薬や化学肥料などを極力使わないことを基本に、環境負荷をできるだけ低減した有機農をめざします。作物の残渣は堆肥化します。収穫した作物は地域のこども食堂で利用してもらいます。資材はできるだけ自然素材を使用、農の脱プラを追求します。そして何よりもみんなで楽しく維持管理、みんなで支えあいながら農を体験して学ぶことをめざしています。
 昨年5月のキックオフイベントからスタート、コロナ禍によって思い描いていた活動は十分とは言えなかったのですが、それでもこども食堂に食材を提供したり、子どもたちとサツマイモの収穫を体験したり、手ごたえは十分にありました。プロの力は借りずに(知識やアドバイスはいただきます!)手探りで進めてきました。うまくいったこといかなかったこと、1年間手探りで模索してきたことで運営側としても多くを学んできました。

 これまで既に多くの方々から協力をいただきました。土地を貸してくださった事業者さんはもちろん食品残渣から作った堆肥を提供してくださった企業さん、福祉支援団体関係の皆さん、こども食堂の運営者さんや保護者の方々。ボランティアの皆さん。専門家や研究者の皆さん、そして行政関係者の皆さん、本当にありがとうございました。この1年間、まずはトライアル期間としての手ごたえを感じた当協会スタッフ、いよいよ今年はかかわる人々の幅を大きく広げて本格的なSDGs事業に展開しようと意気込んでいます。
 この4月にはサポーター制度を発足させて多くの応募をいただきました。
 今後、近隣で子育てや福祉にかかわる皆さんをはじめ幅広い分野の方々にご参加いただいて、みんなで支えあうしくみにしたいと考えています。
 今後の「あわい農園」をどうかご期待ください!!
 ご関心をお持ちいただいた方は是非とも下記URLをご覧ください。

 https://www.awai-farm.com


 

松本 高秋

【プロフィール】

松本 高秋
1984年大阪市役所入庁。環境行政以外に区役所、秘書、経済、議会などの業務に従事。
2021年3月定年退職。
同年6月から環境事業協会常務理事。

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