Vol.151「違いは何か?~コロナと自然災害と,ときどき地球温暖化~」 田中 ひづる


「違いは何か?~コロナと自然災害と,ときどき地球温暖化~」

田中 ひづる(京都市環境保全活動推進協会)

 

 

 

 例年であれば,8月の京都は,ギラギラした暑さではない盆地特有の暑さと,それにもめげずにお越しいただく観光客,大文字五山送り火で御先祖様をお送りし,各地域の松上げ行事で火伏や五穀豊穣を祈願し,地蔵盆で子どもの健全育成を願うなど,静かな時が流れていました。
 ところが,今年は,新型コロナウイルスの感染爆発と超豪雨による災害,日本各地でも多くの方々が被災され,マスコミが連日トップで報道するもの当然のことだと思います。
 私は,これらの現状が,今年1月にNHKが放映した「2030未来への分岐点~暴走する温暖化~」の内容と重なっているようで,気持ち悪さと恐怖を覚えております。しかしながら,マスコミの報道において,異常な気圧配置が原因で超豪雨が発生し,その原因が地球温暖化だという強くないメッセージはあるものの,新型コロナウイルスに関しては,自然界に人間が過干渉したことも原因の一つで,地球温暖化と関連していることについてのメッセージは弱々しいと感じてしまいます。コロナ禍の今こそ,地球温暖化について共有すべき重要なメッセージではないのかと。
 職場である京(みやこ)エコロジーセンターは,COP3を記念して,また,多くの関係者の熱意があって開設された京都市の環境学習施設です。小さな子どもから大人まで幅広い年齢層を対象とした施設で,来年20周年を迎えますが,これからの20年はこれまでの20年が参考になるとは思えません。(個人的な感想です。)2030年の分岐点が迫っている現状を人々にもっと理解してもらうにはどうしたらいいのか,子どもに明るい未来を感じてもらう環境学習はどうあるべきか,それなりの年齢層には恐怖心を持ってもらうことも必要ではないか等,これが正解という啓発はないかもしれませんが,正しく理解する学習は必要です。そして,最難関は学習したことを実践することです。それも残された時間が少ない中で最大の効果を上げるには,あらゆる主体が共通認識を持って取組む必要があり,その共通認識がSDGsなのかな,と思っているところです。
 3R・低炭素社会検定試験に挑戦した方々は,SDGsの実践者として「ときどき地球温暖化」を「いつも地球温暖化」に変えていって欲しいと願っています。

 

田中 ひづる

【プロフィール】

田中 ひづる

鹿児島県出身
2005年4月~2008年3月 京都市環境政策局勤務(家庭ごみ担当)
2019年3月 京都市退職
2019年4月~(公財)京都市環境保全活動推進協会事務局長

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