「戦争を染めた風呂敷が教えてくれる環境破壊」
森田 知都子(ふろしき研究会代表) ◎現代ではふろしきは不用品とも言える存在。子どもたちはふろしきを見たことも、触れたこともない。なのに出前講座でふろしきを手にし、包んで結ぶと歓声をあげます。これは風呂敷が持つ歴史ゆえ。遺伝子がそうさせるのではと思います。風呂敷の歴史を遡ると、奈良時代に「平包み(ひらつつみ)」などと呼ばれていた布が起源。江戸にできた銭湯で、湯上がりに脱衣場の床に敷き、その上で身繕いをした布だから「風呂敷」となったそうな。 ◎1970 年代、急速に姿を消したものの、江戸以降、明治・大正・昭和、運搬をはじめ多用途に使い継がれ、長い間、暮らしを支えてきた風呂敷には歴史が刻まれています。戦後70 年の今年、ふろしき研究会では三都市で「戦争を染めた風呂敷展」を開催。先日、京都市左京区法然院で開催し、多くの反響を得ました。7 月3 日~5 日は舞鶴市赤れんがパーク4号棟、今秋10 月28 日〜11 月8 日は名古屋市東別院で開催します。 人の命も、建物も自然も。多くを破壊する戦争。一枚の風呂敷が、今、なにが大切なのかを学ばせてくれます。 | |
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