市民参加のごみ減量・資源化推進に向けての取組み
香芝市ごみ減量推進懇話会会長 中木秀一
◎香芝市は奈良盆地西端に位置し、田園風景の残る人口約7万6千人の住宅都市である。 香芝市では「ごみをさらに減らす」、「資源化を進める」、「費用負担を公平にする」といった課題や問題点を整理・発見し、ごみ処理構想立案の段階から市民の意見を反映させることを目的に、「香芝市ごみ減量推進懇話会」が設置された。懇話会は従来の行政主導から市民の理解と協力が不可欠であるとの認識のもとにつくられたものであり、市の公募に応募した11名の委員と、市が依頼した樟蔭女子大学准教授のアドバイザーで構成された。 懇話会は平成22年2月より10ヶ月間に8回開催された。活動内容は関連施設見学を行った後、市の家庭系ごみ処理の現状や処理方法・費用分析、日本のごみ処理の現状把握、他市町村の事例研究、委員の関連活動成果検討などである。それらから得られた知見を委員の総意で提言書としてとりまとめ市長に提言した。 提言書は次のような内容である。 1. 基本的な提言項目 ①行政・市民・事業者の役割分担を明らかにし、協働して取組む ②ごみの発生抑制・排出抑制と再使用を最重要課題として推進する ③ごみの分別を徹底し再資源化を促進するとともに再生品利用に努める ④ごみ減量を推進する組織づくりに取組む これら基本的な取組み姿勢を達成するための具体的な活動を同時に提言した。 2. ごみ減量化、資源化の目標設定(平成27年度末時点) ①家庭系ごみの排出量:537g/人日(平成20年度排出量の30%減) ②家庭系ごみの再資源化率:26%(平成20年度再資源化率の20%増) 提言内容は平成23年度から5年間を計画年度とする「香芝市ごみ減量および資源化計画」に活かされる予定である。市民がボランティア活動として参加する懇話会が設置され、市長に提言する機会を得たことは有意義であると思った。様々な考え方を持つ市民の意見を集約した成果が活かされ、活動がさらに発展し、ごみ問題解決への効果が出ることを期待している。 |
◎◎◎◎◎◎◎施設見学の様子1◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎施設見学の様子2
◎◎◎◎◎◎◎提言書の提出