3R x 低炭素社会に寄せて◎◎◎浅利美鈴 ◎3Rと低炭素社会についてセミナーなどで話すようになって、数ヶ月が経つ。 そもそも、「ごみ」が専門の私にとって、「気候変動・地球温暖化問題」やそれを克服する「低炭素社会」は、触れてはならない世界のように思っていた。 「ごみ」で精一杯なのに・・・と。 当検定の公式テキストを編集するプロセスでも痛感していたが、本当に重く深い課題である。 特に、気候変動は、国際交渉の歴史も長く、まるで物語のように展開している。 また、英語のキーワードも多く、その略字を覚えるだけでも一苦労、なかなか物語にもついていけない。 そう気が重くなりかけたときに救われる一文があった。 「市民の目線からは、まず、国際交渉について関心を持って見守るとともに、交渉とは別に温暖化を防ぐ行動を取っていくことで、各国の利害や戦術を超 えた地球規模の取組に向けた協力ができます。市民が声を上げ、実際に温暖化対策の行動をとることで、各国が利害を超えて協力していく雰囲気を作っていくこ とが、市民にできる国際交渉の成功に向けた取組になるでしょう。」 テキストを編集しながら感じたもう一つのことは、3R(循環型社会)と低炭素社会は、切り離せないということである。 特に、暮らしや活動に関わる知見はそうである。 しかし、その関係性について十分に議論や考察ができているだろうか? |
■プロフィール: 浅利 美鈴 (あさり みすず) 現 職 3R・低炭素社会検定実行委員長/京都大学環境保全センター助教 略 歴 2000年、京都大学工学部地球工学科卒業。 2004年、工学博士。研究テーマは「ごみ」。京都大学のエコキャンパス化にも取り組む。また、学生時代に「京大ゴミ部」を立ち上げ、環境問題の普及啓発・教育活動に取り組みはじめる。2003年には「京都ごみ祭」を開催。 2005年からは、京都議定書達成に向けた「びっくり!エコ100選」や「京都議定書バースデーウォーク」などを展開。国や地方自治体の各種委員も務める。 |