「途上国での廃棄物管理改善に向けての活動」
臼井 太二 ◎「3R・低炭素社会検定」に合格された皆様方は、地域のリーダーとして様々な形でゴミ減量問題に取り組まれていますが、ここでは国際協力機構(JICA)が取り組み、私が関わった途上国での廃棄物管理改善活動の一端を紹介します。 ◎JICAの廃棄物管理改善への取組は、国毎にプロジェクトレベルでの技術協力であったり、ボランテイア活動やNGOとの連携を中心とした支援であったり、様々な形態を取っています。支援活動そのものも各国で特徴があります。 幸せ大国として知られるブータンでは、日本から寄贈された中古のゴミ収集車の「チリンチリン」という鐘の音が聞こえると、住民はゴミを出しに集まってきます。観光大国のパラオでは、飲料容器に一律10㌣の税金が課せられ、空き容器を返却すると5㌣が消費者に返金されるデポジットシステムを採用してゴミの減量を図っています。私が現在赴任中のソロモンでは、ゴミ処理施設の改善と、その管理運営能力の向上支援と並行して、New3R(3RにReturnを追加)を中心としたゴミ削減活動が、ボランティア、NGOも加わり、政府自治体、市民、民間業者が一体となって進められています。 ◎しかし、各国に適した活動を進める中でもゴミ削減の早急な成果は中々期待できません。従来はポイ捨てされても自然に返ったゴミでしたが、同じような感覚で捨てられるプラスティック、空き缶、空き瓶といった廃棄物で街中、ゴミ処分場は簡単に溢れかえります。ポイ捨てが何故ダメなのか、ゴミが資源になることを辛抱強く伝えて理解してもらうことができれば途上国でのゴミ減量活動は一気に加速されます。辛抱強い取り組みと同時に、行政も住民もその気にさせるには知恵も必要です。検定合格者の皆様方の知見、経験を是非途上国のゴミ削減にも振り向けて戴けることを願っています。 |
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