Vol.195 『社会全体の「参加」で進める、小型家電リサイクル』

 

 


 『社会全体の「参加」で進める、小型家電リサイクル』

中村 俊夫

リネットジャパンリサイクル株式会社 代表取締役社長


 2024年12月、国家戦略としてサーキュラーエコノミーを加速化するという発表がありました。

 私が代表を務めるリネットジャパンリサイクル株式会社は、小型家電リサイクル法の認定事業者として、700以上の自治体と協定を締結、動脈事業者(製造・販売)とも業務提携し、「使用済小型家電のリサイクル」という社会的課題に取り組んでいます。

 様々な使用済製品がある中、小型家電リサイクルは、資源の有効活用と環境負荷の低減という観点から、今後ますますその重要性が高まっていく分野です。しかし、その回収・再資源化は、単なる技術や制度の整備だけでは成し得ません。多くの関係者との連携、すなわち社会全体での取り組みが不可欠です。

 この取り組みを進める中で改めて実感しているのは、「社会全体の参加」が極めて重要であるということです。

 自治体は住民への周知や制度構築に尽力いただき、動脈事業者はリサイクルの啓発や回収の仕組化等を行い、排出者である消費者は不要になった家電を適切なルートで処分する。こうした「三位一体」の協力があってこそ、リサイクルの輪が社会に根付き、持続可能な形で広がっていくのです。また、各関係主体がこの課題を「自分ごと」と捉え、主体的に取り組む姿勢が何よりも重要だと考えています。

 今後は、リサイクルを“行動”として定着させるために、学校や地域と連携した環境教育の推進、企業のESG活動との連携拡大、そして国民一人ひとりの「知っている」から「やってみる」への意識変革を促す取り組みが重要だと考えています。

 サーキュラーエコノミーは一部の専門機関だけが担うものではありません。持続可能な社会を実現するために、誰もが少しずつ役割を果たす―その積み重ねが、未来の社会をかたちづくります。

 社会全体を巻き込みながら、リサイクルを進めていく、当社としても行動を加速していき、小型家電リサイクルを通じた循環型社会の実現に貢献してまいります。

 

   中村 俊夫

【プロフィール】

中村 俊夫(なかむら としお)

リネットジャパンリサイクル株式会社 代表取締役社長

1977年生まれ
2005年 リネットジャパングループ(株)入社
リユース事業(NETOFF)の新規事業開発等を担当
2012年 新規事業としてリサイクル事業の開発をスタート
その後、リネットジャパンリサイクル(株)の代表就任

ページの先頭へかえる