Vol.168「脱炭素社会に向けて 温暖化防止活動推進センターの取組」 庄司 佳子

 


「脱炭素社会に向けて 温暖化防止活動推進センターの取組」


庄司 佳子
(川崎市地球温暖化防止活動推進センター)


 


  

 川崎市地球温暖化防止活動推進センターのセンター長の庄司佳子です。
当センターは武蔵溝ノ口駅そばのマルイの中という好立地な場所に設置されているセンターで2011年に開設されました。
普及啓発事業を中心に取り組んでいますが、展示・講座のテーマは「エシカル消費」「適応策と防災」「脱炭素」「断熱と住」など、脱炭素を軸にテーマを展開しています。マルイの中の店舗や市内事業者との連携・協力を得つつ、展示と講座を展開しています。
大事にしているのは、多くの市内小学生の参加を得て、家族を含めた世代への脱炭素への行動変容の普及啓発に努めていることで、子どもたちにとって大切な行動変容への足掛かりとなる体験の場づくりとして、夏休み自由研究講座、冬のかわさき環境フォーラム等の場を展開しています。
また、当センターでは、温暖化防止活動推進員が構成する6つのプロジェクトグループが活動して、年間8000人~多い時で約11200人もの小中学生に環境授業を行っています。テーマの中でも特に希望が多いのは「脱炭素」「SDGs」等です。ギガ端末の導入が進み、児童が様々な情報にアプローチできるようになった中、温暖化防止推進員の行う環境学習では不足しがちな体験やより身近なところで行われている取組などをていねいに伝えていく努力を積み重ねています。
川崎市の脱炭素・モデル事業である「脱炭素アクションみぞのくち」の取組には、事業者・団体で構成する創出プロジェクトが取り組みを推進していますが、当センターも積極的に参画をしてきました。昨年度は、「健康」×「脱炭素」をテーマとした若い世代を巻き込んだワールドカフェの共催、小学生に脱炭素アクションを体験してもらい、それをYou Tuberになって発信してもらう企画等、参加者から取組みや楽しさを発信し拡散していく試みなども模索しています。
また、昨年度から脱炭素経営に取組む中小企業の「炭素の見える化」支援として、川崎カーボン・ディスクロージャー・アクション事業を展開しました。市内金融機関の協力のもと、先駆的に脱炭素経営を行っている事業者にも協力を得つつ推進しましたが、9社の応募を受けて2030年に向けた脱炭素経営の第1歩というべき炭素の見える化事業に取り組み、一定の成果を上げることが出来ました。
2030年カーボンハーフまであと7年、これからも「危機感の共有」を広げ、多くのステークホルダーとともに次の一歩に歩みを進めたいと思います。

庄司 佳子

【プロフィール】

庄司 佳子(しょうじ よしこ)
環境カウンセラー(市民部門)、3R推進マイスター、川崎市地球温暖化防止活動推進員、NPO法人アクト川崎副理事長、川崎市環境教育コーディネーター、防災士。
2021年7月より、川崎市地球温暖化防止活動推進センターセンター長。市民活動として3R推進プロジェクトやグリーンコンシューマーグループかわさきとして活動し、3R、廃棄物分野のほか、エコショッピング、商店街との連携に力を注ぐ。アクト川崎として、市民と事業者のエコなプラットフォームを目指す「エコぷらっとかわさきC3」の見学会などを推進。

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