『おもちゃの病院』
舞鶴市・吉田雅樹 「おい、『おもちゃの病院』って知ってるか?」 「面白そうですね!」 「やってみるか?」 「でも治せ(直せ)ますかね?」 「全部『入院ですね』って言っとけばえぇ」… 笑笑 そんなやりとりから十数年、当時の上司(故人)と話して以来、淡く想い続けてきた『おもちゃ病院』を仲間との「縁」で立ち上げました。 ◎2013年11月17日、舞鶴市リサイクルプラザ。リユースの取り組みとしては恒例のフリーマーケット会場の一角で、「まいづるおもちゃ病院」は産声を上げました。 ◎開院するまでには、12年間の診療のキャリアを持ち、平成25年度循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰も受賞された「敦賀おもちゃ病院」さんに教えを請い、自分たちで壊れたおもちゃを持ち寄ってはカンファレンス(修理勉強会)を開いてできる準備をしたものの、PRといえば市内の幼稚園に開催のちらしを配った程度、「本当におもちゃを持って来てくれるのかな」と半信半疑で患者さんを待ちました。 ◎フリーマーケットの開場を待つお客さんの中に、「おもちゃ」らしき物を抱えた子どもとお父さんの姿を見つけ、「来てくれた!」そう思って嬉しくなりました。 ◎結果、開院40分で予定の30個をおあずかりし、入院のご了解をもらって40個までおあずかりすることとなり、この地域で初めてのおもちゃ病院は、子どもたちのにぎやかな声に包まれて大盛況となりました。 ◎開院のための勉強を重ねるなかで、「おもちゃ」と呼ばれるものが世にあふれている、特にノベルティとして配られたおもちゃの多くがごみとなっていること、そんな生い立ちのおもちゃたちは使い捨てが前提の作りとなっていて、ネジ止めひとつとっても壊れても修理ができないような構造として世に送り出されていることを知りました。 ◎ 「おもちゃ病院」は世代を越えた仲間が、一つのおもちゃを囲み、あぁでもないこうでもないと話しながら原因をつきとめ、動き出した瞬間にはみんなの歓声が上がる。 そんなドクター側のやりがいも魅力のひとつ、治されるよりも治す方が嬉しいんじゃないかなんて…(笑) 「おもちゃ」の持ち主の子どもたちの笑顔、治した大人たちの笑顔、笑顔の連鎖を地域へ…今、そんなことを考えながら次回の開院を楽しみにしているところです。 |