「ロハスデザイン大賞 新宿御苑展訪問

リーダーデビューファイル~こんなこと始めました~

「ロハスデザイン大賞 新宿御苑展訪問

山口茂子(東京都目黒区)

「第5回ロハスデザイン大賞2010」の最終エントリー作品を展示するエキシビション「ロハスデザイン大賞 新宿御苑展(5月13日~16日/主催:一般社団法人ロハスクラブ、共催 チャレンジ25キャンペーン(環境省)、制作・運営 月刊ソトコト)」に行ってきました。

ロハスというのは、ロハスクラブのホームページ(http://www.lohasclub.jp/)によると、「地球環境保護と健康な生活を最優先し、人類と地球が共栄共存できる持続可能なライフスタイルと、それを望む人たちの総称」とされていて、「自分たちの幸せの向こうに、社会の幸せや地球環境への貢献が地続きでつながっている。そんな実感のある暮らし、それを実現できる仕事を望む人たちにモノやサービスを提供する社会が、アメリカやヨーロッパで飛躍的に伸びています。」とあります。
そして、このLOHAS~ロハス(Lifestyles Of Health And Sustainability)と言われる人たちが、アメリカで、ヨーロッパで増え続け、今後のビジネスや政治のあり方まで変える可能性を秘めた存在として注目されているということなのです。

ロハスデザイン展の今年のテーマは、「Become a Green Shopper ! 幸せにつながる、グリーンな選択を!」となっていて、簡単に言うと一人ひとりがグリーンショッピングをしましょう。社会や地球をハッピーにする「ヒト」「モノ」「コト」にエントリーしたり、また投票したりしましょうというものです。
たとえば「モノ」であれば、CO2排出量の小さな電化製品、売上の一部で生物多様性の保全や、社会福祉活動をサポートする製品など、「コト」は、個人で参加できるボランタリーな仕組みやアクション、そして、これらの素晴らしい「モノ」や「コト」を生み出したり、さまざまな活動や提案をする「ヒト」などがエントリーしています。
内容は、主に一般の個人審査員が推薦(自薦)したもので構成されているようで、もちろん有名な製品なども入っていますが、なかなか知られていない、知ることのできない小さい活動や製品などもたくさんエントリーされていて、見ていると投票せずにはいられなくなってきます。
とくに、「製品」というのは、日ごろお買い物をする立場にあるので、何かの機会に探したり、調べたりすることは多々ありますが、「コト」や「ヒト」については、意識していないと得られない情報だったりするので、こういう活動ややり方もあるんだと感動しきりでした。みなさんもぜひ見てみてください。
(参考URL(2010.5.22現在):http://www.lohasclub.jp/lda/2010/nom2tns-f.cgi)

さて、新宿御苑展は、その名のとおり新宿御苑での開催で、広大な芝生の広場に真っ白な大きなテントが設置されて、そこに実際のエントリー商品が展示されて(「ヒト」「コト」部門は、印刷物になって紹介)、のんびり眺めながら、気に入ったものがあればその場で投票したり、イベントに参加したり、農産物などのお買い物をしたり、生物多様性のパネルをみたり、疲れたら芝生の上で休憩したりできるというのんびりしたロハスにぴったりのイベントです。

ロハスデザイン大賞 新宿御苑展

では、そのなかで、実際に見て、体験してきたいくつかを紹介します。

まず、「エコラン」のランニングプログラム。緑豊かな御苑(大きな木がたくさんあり、東京の真ん中とは思えない素敵なところです)のなかを500メートルコースまたは1キロコースを選択して、歩いたり、走ったりします。次に自分の走った(歩いた)距離(コース)を、タクシーや電車で同距離を移動した場合のCO2排出量に換算して見せてもらい、参加の証に写真をとってもらいます。1キロってこれくらいだから、できるだけこれから歩くようにしようとアピールするもの。私は日ごろ、ちまちまと電車に乗ったり降りたりというのが面倒なたちなのと、東京は結構、電車で乗り換えるより歩くのが早い場合があるので、1キロ、2キロくらいは、気軽に歩くのですが、緑の中を鳥の声を聞きながら歩くのと、雑踏の中を自転車をよけながら、いらいら気味に歩くのでは大きい違いがあります。

できるだけ歩こう、公共交通機関を使おう、自転車を使おう・・・同時に自転車が安全に歩行者と分離されて交通ルールも守られて歩行者が安全に歩ける町、歩いて楽しい町、利用しやすい電車やバス、そういうものもどんどん整っていくといいですよね。

たとえば、「歩き」ではないですが、ドイツ・ミュンスター市は、自転車都市宣言をして、自転車の利用がしやすいように町もルールもかなりきちんと整備されているようです。
(http://sbaa-bicycle.com/culture/index.html)2010.5.22現在URL

ちなみに、ここでは、まだまだ使えるのに捨てられてしまうシューズを回収してアフリカの子どもたちに送る「スマイル アフリカ プロジェクト」も行っていて、登録すれば誰でもシューズを送ることができます(手数料有料)。おうちにスニーカーが余っている人はぜひ、検討してみてください。

スマイル アフリカ プロジェクト(回収された靴)

次に会場内での飲食ですが、マイボトルを持参すれば、お水は好きなだけ汲むことができます。ボトルを忘れた人は50円でペットボトルを購入すれば、OKです。
お食事は、国産の食材を使ったハンバーガーなどが販売されており、フードマイレージが表示され、チャレンジ25キャンペーンに登録した人は50円引きというサービスもありました。ちなみに私はお肉を一切いただかないので、大豆ミートを使ったベジタコライスをいただきました。

ところで、常日頃、せっかくボトルを持ち歩いても、中身だけ気軽に買えるところがない!と感じている方いませんか? 少し乱暴な話ですが、ごみになる飲料を買う人がいなくなれば、生産者側も工夫しますよね。食べるものを買うときも、自分の体のなかに取り込むものなのだから、添加物や生産過程や原材料をもっと気にして、少しでも環境に悪いものを買う人がいなくなれば、やっぱり作る側も考えますよね。

エコ関係のイベントは大規模なものから小さいものまでいろいろありますが、会場内にいるときは、エコを満喫できても、一歩外に出ると、またいつもの使い捨ての世界に戻ってしまうのがさびしいですね。

エントリー候補にはこんなものがありました。
「ぞうさん緑化マット」は、スリランカで起こっている人と象の衝突を、象のうんちを利用した商品で人が利益を得られるようにすることで解消。椰子がらごみのリサイクルにも役立つ商品。実は動物好きなので、人と動物がハッピーなところがすごいし、現地の人々を経済的にも支えようというのも素敵です。
http://www.greeneverywhereplans.com/

ぞうさん緑化マット

これは「えこんぽん」http://www.obubu.net/oblog/1728.htmlといいます。要するに緩衝材なのですが、ポン菓子でできていて食べることができます。京都のお茶屋さんが考案したようです。小さいものを買ったのに、大きな箱が送られてきて、ビニール製の緩衝材がぎっしり。という経験ありますよね。それがお菓子だったら、贈り物にも素敵です。

エコホン

ほかにもエントリーしている「モノ」「コト」「ヒト」たくさんあるので、みなさんもぜひご覧ください。

最後に、無農薬でがんばっている若い農家の方のテントで無農薬サラダセットを購入(菜食なので野菜の消費量が多いので助かります)、マイはしづくりはものすごくやりたかったけど、タイミングがあわずに断念。

JWAVE

後援のJWAVEが配っていたゴーヤの種をいただいて、家路につきました。20年以上、東京で暮らしているのに、新宿御苑は始めてで、こんなにいい場所だったことを発見したのも収穫でした。

無理や我慢ばかりでは、健康も、エコロジーも、幸せも、長続きしない。自分たちの幸せの向こうに、社会の幸せや地球環境への貢献が地続きでつながっている。これがロハスの考え方です。
日々の暮らしのなかで、「3R」を合言葉に、一生懸命がんばっていても、心の豊かさが伴わないと、どこかに無理が生じて殺伐としたものになりかねないし、心の豊かさが物質的な豊かさによって得られるものになってしまうと、結局は環境を痛めつけるような暮らしに傾いてしまいます。人間として生まれたからには、環境のために「知恵」を使うこと、「考える」ことを常に忘れずにいたいとしみじみ思いました。



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