『緑のある暮らし(1)-身近なパワースポット』
山口 茂子 ◎東京在住の山口茂子です。 ◎少し前にこのコーナーで、窓辺の水耕栽培について記事を書かせていただきました。 ◎窓辺の水耕栽培は、3・11の震災では、ころがり落ちた程度の軽微な被害で済んだものの、その後、余震に不安を強いられながらの生活で、結局は窓辺から撤去されておりました。 ◎緑たちは窓辺からは退いたものの、東京の真ん中のたいして広くないお部屋の真ん中でひしめきあっておりましたが、やはり十分な日射量を得られずもやし化し、どうせもやしならばいっそのことと、ここしばらくはひたすらブロッコリーだのマスタードだのとスプラウト類を育てては収穫してサラダにのせていただいておりました。 ◎そんなことをしていても、やはりあれこれ植えてみたいという欲求は抑えられず、試しに、ちょこちょこと種まきをしては、日射量の少なさにひょろひょろ伸びる植物をながめてはがっかりするというのを繰り返しておりました。 ◎ところが、とうとう契機がおとずれました。 ◎長年暮らした目黒のお部屋を追い出される(言葉は悪いですが)ことになったのです。それならばとベランダ付を条件に、せっせとお部屋を探し回り、何とかお手頃の価格の希望に近いお部屋を見つけて、あわただしく引っ越しができたのは、本格的な夏が始まる頃7月のなかばでした。 ◎もちろん、肩身の狭い不自由な思いをさせていた植木鉢やプランターを真っ先に引っ越しさせたのは言うまでもありません。(軽トラックでの自前の引っ越しだったので・・・) ◎新しいお部屋の広い場所に置かれた植物は気のせいかのびのびしているように見受けられました。ベランダは南向きでないのですが、日が昇ってから午前中くらいまでは日差しが降り注いでいます。種を植えておいたら芽が出てきたアボカドも葉っぱがついては、すぐに落ちてを繰り返していたのがウソのように元気そうです。 ◎そのなかでも一番の注目株は、稲です。 ◎この稲は自然栽培という農薬や化学肥料はもちろん有機肥料もなしで栽培する方法で育てられた稲の田植え前のものをいただいてきて、プランターに植えたものです。プランターにも関わらず、この稲はそれはよく育ってくれています。 ◎この子たちは、まだ身丈が30センチにも満たない頃、一度だけ台風に見舞われ、部屋のなかに避難させるつもりが、帰宅が遅くなり、荒れ狂う風雨にさらされ、無残にも折れ曲がったりと気の毒なことになってしまいましたが、負けずにすくすくと成長を続けた力強い稲です。 ◎たまたま、向かいのおうちで子供の教材用なのか、同じように発泡スチロールの容器に稲が植えられていましたが、その倍の速度と力強さでぐいぐい伸びていく様子は本当に気持ち良いものがありました。 ◎ところで、写真では元気な稲の谷間になりわかりにくいのですが、お隣でちんまりとしている半分くらいのサイズの稲は、私がお米から発芽させて育てたものです。同じように自然栽培のお米なのですが、発芽直後に植える土をあやまって畑の土に植えていたのが原因で根がしっかりと伸びず成長が遅れてしまいました。 ◎まだ赤ちゃん稲の頃、ちっとも成長しないので、お米たちの育ての親の農家さんに相談したところ「畑の土と、田んぼの土は全然違うよー」と一言。 ◎そんなことも知らなかった私ですが、そうとわかればさっそくホームセンターの園芸コーナーで田んぼの土を購入。植え替えるや否や、急に息を吹き返したように元気さを取り戻してくれたのですが、やはり成長の遅れは否めません。 ◎当たり前のようですが、土が違うということは植物にとっては大問題なのですね。 ◎でも、普段食べ慣れている玄米が発芽してくるシーンは感動ものです。皆様も気が向いたらぜひお試しくださいね。 ◎ところで、この寄せ植えと呼んでよいのか悩みますが、適当にあれこれ植わっている鉢は何でしょう。 ◎真ん中で一番目立っているのがアボカドです。食べ終わった種を埋めておいたらにょきにょきと芽が出て葉っぱが伸びています。右下の赤っぽい模様のある葉っぱは、名前は忘れましたが、サラダにできる葉っぱで、青山のファーマーズマーケットで根っこごと入手したものを植えてみました。上の葉っぱはトマトの葉っぱです。 ◎植える前に剪定して取り除いた葉っぱを植えておいたらこれもするすると伸びてきました。 ◎植物すごい。 ◎新しいこのお部屋に来てから、このベランダに座って植物を眺めるのが、束の間の楽しみ、癒しの時間です。 ◎この空間は私にとってのパワースポットです。植物のエネルギーが充満しているのを感じます。わざわざ交通費を出して、時間をかけて遠くの神社を訪ねるよりも、身近に緑を植えてパワースポットを作りませんか! ◎私の提案で今回も拙い文章を最後までお読みいただいて有難うございました。 |