窓辺のミニファーム (その3)

窓辺のミニファーム (その3)

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎山口茂子

みなさん、こんにちは。東京在住の山口茂子です。

東北・関東の震災は本当に、本当に大変なことになりました。報道を見るたび、ニュースを見るたび、事の重大さ、被害の大きさに気持ちが張り裂けそうになります。
亡くなられた方にはご冥福を申しあげます。また、多くの被災した方には、お見舞いを申し上げますとともに、1日も早く健やかな日々を送ることができますよう、心よりお祈りしております。

私は、震災当日は当検定の合格者ミーティングにお手伝いを兼ねて参加するべく、横浜の東京電力電気の史料館におりました。ちょうど、基調講演「地球科学の 視点から考える3Rの世界」ということで、尾池和夫先生の地震についてのお話が佳境になったころ、急に大きくゆらゆらと嫌な感じの揺れに襲われました。
史料館のスタッフの誘導で参加者のみなさんと中庭に避難し、携帯などでチェックしていると、予想をはるかに上回る大惨事となっていることを知りました。
結局、そこでミーティングは中断となり解散となりましたが、それからご存じのとおり、鉄道が動かなくなってしまったので、皆様ご自宅にお戻りになられるのに相当のご苦労があったことかた拝察いたします。
私も、大渋滞のなか、途中の駅まではご厚意で車で送っていただき、その後2時間半歩いて目黒区の自宅までたどりつきました。自宅の直前で、雑貨屋のご主人 が無料でコーヒーをサービスしておられ、私も1杯ごちそうに・・・。冷え切ったなかをずっと歩いてきたので、手がかじかんで指がかたまって携帯のメールも 打てない状態だったので、ほろりとなりました。
幸い自宅は、棚の上にあった軽いものが散らばった程度で済みましたが、よく伸びていたレタスを植えたペットボトルが1つだけ逆さまに落下していました。

本当は、そろそろ種まきができる季節なので、先日不織布でできた大きなポットや、土を調達、今月号はあらたに面積を広げたミニファームのご紹介をしたいと思っていました。
前回、ご紹介したジョン・ムーアさんの「A4サイズの菜園」
(http://www.freedom-univ.com/lecture/detail155.html)にもすっかり感化されていたので、新しく種も購入し、ミニトマトやミニきゅうり、各種そろえて植えるのを楽しみにしていたのですが・・・。
御存じのとおり、今東京は、放射能の汚染にびくびくする毎日です。直ちに被害がないと言っていますが、冷静に判断すればしばらく外に植物を置かないほうがよいと思い、しばらくは室内での栽培に力を入れることにしました。



床に置かれた栽培中のグリーンたち。
余震が続くので、窓辺を非難して、床に置かれた栽培中のグリーンたち。
日当たりが悪くなってもがんばって成長しています。


HPであるブログを読んでいたら、「私は避難リュックにブロッコリーの種を入れています。」という文章を見つけました。
ブロッコリーの種と言っても、大きなブロッコリーを育てるわけではなく、カイワレダイコンのイメージで考えていただくとよいと思います。
つまり、避難生活になると、どうしても生鮮食品が不足する→ビタミン不足?→なら育てればいいのでは→簡単に早く育つのはカイワレダイコンのようなもの という考え方に基づいてリュックに種をしのばせたようです。なるほどと思いさっそく真似をしましたが、確かに、カイワレダイコンのようなものは1週間もあ れば育ってくれて、栄養価も高いので、とてもいいのではないかなあという気がします。
カップラーメンや菓子パンだけでは栄養も偏りストレスも溜まりそうです。グリーンは目にやさしく、安らぎも与えてくれそうです。少し大きめの入れ物で育て れば、結構たくさん収穫もできます。値段もそれほど高価ではありません。室内で栽培できるので、放射能物質の影響も少ないように思います。
育ててみるとわかるのですが、直径1ミリにも満たないような小さな種から根が出て、やがて小さな青い葉が出てきて、水や栄養分をしっかり吸収するためにさ らに根はどんどん伸びていきます。避難先でも、こういう力強い生命力の感じられるものがそばにあると元気が出そうな気がしませんか。(そんなのんきな状況 ではない、飲み水も無いのに何を言っているんだと、ご不快に思われたらごめんなさい。)

麺類やお豆腐に少しあえるだけでも違います。
1週間でこんなにふさふさになりますよ。麺類やお豆腐に少しあえるだけでも違います。


今回は、予定どおりの内容になりませんでしたが、少しずつでも、事態がよい方向に向かっていけるように、自分のできることを模索しながら、がんばっていきたいと思います。




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