原発事故による、避難者の仮設住宅での生活


原発事故による、避難者の仮設住宅での生活』



2014.2.23  阿部 陽三


現在、福島県が抱えている問題として人口の減少があります。東日本大震災前の2011年2月には202万5773人いましたが、2014年1月1日現在194万5786人と約8万人少なくなっています。
ここ3年間の減少数・率は全国の都道府県でワースト1です。県内外への避難者数は約13万6千人いると言われています。

そのような中で私が深刻に受け止めているのは震災で直接亡くなられた1607人(警察庁のデータ)に対し、震災・原発事故による“関連死”が2014年1月に1656人で上回ったということです。
復興庁のデータによればその約9割が66歳以上です。2004年の新潟中越地震では関連死が1か月過ぎれば少なくなるという見解に対し、福島県の関連死は増加中であるということから、何とか解決できないのかという思いです。

県内に避難している多くの人は仮設住宅に住んでいます。それまで子供、孫と3~4世代が同居して大きな家で部屋数も多く、広々とした部屋と庭に囲まれて、明るく、賑わいのある楽しい生活が、原発事故で一変してしまったのです。

家族は世代ごとに分かれ、生活様式が大きく変わりました。農業、畜産業をしながら将来の設計を描いて、夢があった生活から仮設住宅になり、それまでの生活に比べて部屋数は少なく、狭く、隣人とは1枚の壁であり、精神的に抑圧された状態であるかと思います。
冬は寒く夏は暑い家屋での生活を強いられ、帰還への見通しが立たず、将来の夢が持てなくなり、長期になるにつれストレスが溜まり体調を崩す人が多いようです。

住宅のある場所は多くが交通の便は悪く、生活必需品を買うにも店は遠く不便です。高齢者、要介護者などはその援護を受けるのも大変です。大震災では無事に生き延びたが、その後の生活が要因となって亡くなっていく人がいることは非常に残念です。

このような関連死について、国、県の具体的な対策が弱く、関心が低いように思えます。県・市の広報誌などから県庁の中にはいろいろな窓口があるようですがその実態まで把握できておりません。

また、仮設住宅などで避難生活している0~18歳の子供は約1万3千人いると言われています。育児、子育てを支援する県の制度や民間の支援団体なども立ち上がって増えてはいますが、勉強など〝子育て“は充分な良い環境とは言えません。
子を持つ親として、老父母を持つ子供として、定住地をどこにするか、どのような生活設計にすればよいか、働き盛りの大人として悩みは尽きないのが現状です。


写真①写真②
写真① 仮設住宅の入り口 道路標識写真② 仮設住宅。 
1棟6所帯 降雪後1週間たっても除雪は進まず。



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