半農半Xという新しいライフスタイルが創る未来

=特集=

半農半Xという新しいライフスタイルが創る未来


塩見 直紀
半農半X研究所代表
(『半農半Xという生き方』著者)

地球環境問題など、山積する難問群を抱えた今を、ぼくたちはどう生きていったら
いいのだろう。20代後半(90年頃)から、そんなことを考えてきた。また、同時に
こんなことを自問していた。

ぼくがこの世に生まれた意味や役割、天職は何かと。

95年、屋久島在住の作家・翻訳家、星川淳さんの生き方「半農半著」(エコロジカ
ルな暮らしをベースにしながら、執筆で社会にメッセージする生き方)というキー
ワードに出会った。この生き方は21世紀の生き方・暮らし方の1つのモデルにきっ
となると直感。同年のある日、「半農半X」というコンセプトがぼくの中に生まれ
た。

半農半Xは都会でも、ずっと田舎に暮らしている人もみんな可能なライフスタイル
だ。半農半Xといっても1日の半分の時間を農にあてなさいというものではない。
また半農とは土地の広さをさすのではなく、土や他の生命と触れ合う時間を持つ
ことで、人間中心主義を超え、大事なものに気づくということだ。

半農とは別の言葉でいえば、レイチェル・カーソンがいう「センス・オブ・ワンダー
(sense of wonder=自然の神秘さや不思議さに目を見張る感性)」ではないか。

カーソンは「生まれつき備わっている子どものセンス・オブ・ワンダーをいつも新鮮
に保ち続けるためには私たちが住んでいる世界の喜び、感激、神秘などを子ども
と一緒に再発見し感動を分かち合ってくれる大人が少なくともひとりそばにいる
必要があ ります」という名言を遺している。

悲しい事件が多く、混迷するこの国にあって、いま、小さな農と天職を同時におこな
うライフスタイルがますます大事になっていくと思う。健康で持続可能な「農のある
小さな暮らし」と“天与の才”を世に活かし、社会的な問題を解決する「X」。約十年、
半農半Xの可能性を模索してきたが、この2つによるスローレボリューションが必要
なのではないかという思いは確信へと変わっている。

以上

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