今月の漫画とコメント(2009年8月号) ≪もともと、自然界には「廃棄物」というものは存在しなかった。≫

今月の漫画とコメント

コメント:KBS京都ラジオ 中田 富士男 (3R検定実行委員)

今月の漫画2009年8月号

 自然界では、動物や鳥が食べた木の葉や実が、排泄物として土に還り、バクテリアにより分解され肥料となり、木が生育する。生育した木の葉や実を動物や鳥が食べる。」このような循環で成り立っている。

 一昔前までは、人間社会も一緒で、人間が出した排泄物を肥料として作物を作り、それを食べ排泄物を出すという循環が成り立っていた。ところが文明の進歩とともに、缶・ビン・ペットボトル・紙容器・トレー・電化製品等が出現し、廃棄物が大量に発生するようになった。
又、生ゴミも生産・消費の拡大と共に大量に出るようになった。これらゴミを処理するため焼却炉が必要となり、莫大な金が必要となり、ダイキオンも発生するようになった。

 現在では、リサイクルが声高に叫ばれ、分別も進んできている。しかし、リサイクルは費用がかかり二酸化炭素も排出することを意識して、まずゴミを出さない製品を作る、次に製品を再使用する。
そのうえで、どうしてもゴミとなるものは、できるだけ分別して出す、こういう社会を実現することを目指さなければならない。

 上記漫画は、こういうことをうまく表現している。腕を組んで男性が見ている自然界は、「廃棄物」が存在しない。しかし、困った顔をしても後ろを振り向いてる女性の後ろはゴミの山である。

「廃棄物」とは、人間が生み出した概念なのである。

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