< ゴーチャレンジ > ≪資源物回収の先を見に行く≫

資源物回収の先を見に行く

3R検定実行委員 村岡 良介

リサイクル施設の見学の様子

 多くの生活者は、居住する市町村の指定による分別方法に従い、「資源物」として分別すれば市町村が何らかの方法でリサイクルあるいはリユースするものと信じ、そのことをもって自らの3Rへの取り組みを終結したと考える。「その先」のことは知る機会がないし、関心もない。だから、「その先」に行ってみよう。-「資源物を分別すればリサイクルは終わりですか?」と問いかけながら、エコツアー事業に取り組んだ。公募により集めた市民参加者と共に市内のリサイクル関連施設を見学し、現場を見て、関係者の話を聞き、参加者によるワークショップで知ったこと、気が付いたこと、様々な意見を共有した。

 最初にペットtoペットのリサイクル施設を見学した。回収されたペットボトルが最先端の技術により再びペットボトルに再生され、飲料容器として製品化される。市が「キャップを外し、ラベルを剥がし、ボトルは軽く洗浄し、それぞれ分別して出してください。」と広報する意味がここでわかる。日本人の高い衛生願望により、ボトル内部がわざわざポリエチレンでコーティングされることもあることを知る。この企業は、見学してから1年後に破産した。ペットボトルが集められなかったためだった。市で回収したペットボトルは、この企業に搬入されず、遠く西日本の企業まで運ばれていることも知った。法制度の問題、消費者意識、リサイクルと環境負荷、地域循環、等々色々な議論のテーマがそこにあった。

 次に訪ねた容器包装プラスチックのリサイクル施設では、プラスチックから水素とアンモニアを回収していた。近隣の市から運び込まれるプラスチックごみを、破砕・粉砕し、ピース化する。ここで爆発事故が多発すると聞いた。ポータブルガスボンベが混入しているらしい。理解に苦しむ。運び込む市によってプラスチックごみの色がずいぶん違う。純白に近いほど綺麗なプラスチックが目を引いた。この市では、人手により、集めたプラスチックを選別しているそうだ。住民意識と取り組み方による違いを目の当たりにする。

 最後に、古紙のリサイクル施設を訪ねた。この企業の特徴は、「難再生古紙」と呼ばれ、ファイリングされ、段ボール箱に入った機密文書をそのままリサイクルしてしまう技術を有していること。ファイルの金具やクリップ類は金属として回収される。工程の細部は見せていただけず、詳しい説明も企業秘密で聞けなかったが、こんな質問をした。搬入される前に、ファイルから古紙をはずし、クリップ類を削除すれば、余計な工程が減り、特殊な処理によって生じる薬剤の使用量、環境負荷も低減されるのでは?でも担当者はこう答えた。

 「このようなユーザーの要求に応えないと競争で勝てませんよ。」なるほど。これも考えさせられる問題だ。このように、「その先」を見に行った市民は、様々な問題を発見し、課題を知る。3Rに関する意識が高まり、実践のための知識も養われる。そう、「気づき」、「わかり」、「行動する」に市民を導くのです。このような取り組みも3R実践活動の一つのあり方と言えるのではないでしょうか。

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