=特集=
なぜ今3Rなのか
藤本 正(ふじもと まさし) さん
( 3R活動推進フォーラム)
10月は3R推進月間である。関係8省庁、地方自治体、関係団体などが、様々な取り組みや行事を行う。そこで、この機会になぜ3Rがいま重要なのかを考えてみたい。 言うまでもなく、3Rとは、ごみの発生抑制を意味するReduce(リデュース)、再使用のReuse(リユース)、再生利用のRecycle(リサイクル)という3つのRのつく言葉を意味する。なかでも、リサイクルという言葉は、昭和40年代半ば頃から叫ばれ、社会に深く浸透しているが、「3R」が脚光を浴び始めたのは、平成16年(2003年)6月に米国で開催されたG8サミットにおいて、当時の小泉首相が3Rイニシアティブを提唱したことがきっかけだから、まだ5年しか経っておらず、社会に馴染んでいない。 内閣府が今年6月に行った世論調査によると、約45%の人が3Rという言葉を聞いたこともないと回答し、3Rの意味を知っている人は30%弱に過ぎない。しかし、ごみ問題に関心がある人は約92%もあり、約67%の人がごみを減らす配慮やリサイクルを実施していると回答。つまり、ごみの減量やリサイクルに取り組んでいる人は多いが、3Rの意味を知っている人は少ないという結果となった。 しかし、「ごみの減量化やリサイクルに取り組む人が多いのだから、なぜ今『3R』が必要なのか」と考える人もいるに違いない。そこで、少し社会的・時代的背景を振り返ってみたい。 リサイクルやごみ減量化が推進された昭和40年代以降、高度成長による大量生産、大量消費、大量廃棄という急激な社会の変化により、市町村の清掃工場はごみであふれた。その対策として、空き缶やペットボトルに象徴される、個々の製品ごとのリサイクルに関する技術開発、システムや制度づくりが急がれた。 これに対して、現在は、地球温暖化と資源の枯渇が切迫した問題となっている。CO2排出量が少なく資源を浪費しないものづくりやライフスタイルが求められており、家庭、地域から3Rを推進し、資源を地域で循環する持続可能な社会を構築する必要があるのである。ここにこそ3Rの目的があり、今3Rを啓発する意義があるのである。 3R推進月間に、お互いに「私の取り組む3R」を考えてみてはどうだろうか。 |