「捨てないための生活準備学」オフィスの改革


「捨てないための生活準備学」オフィスの改革


みなさま、こんにちは。東京在住の山口茂子と申します。
今回は、事務所の大掃除を契機に考えたことをまとめてみました。

私の職場は東京都内の日本橋にあります。東京駅よりほど近い場所でありながら、周辺には老舗の飲食店やお菓子屋さんなどもある下町の雰囲気の残るオフィス街です。

実は今年の夏頃から、より快適な環境にするために少しずつ片付けや模様替えをしてきました。忙しい業務の合間をみての模様替えなので、思ったよりも長い月日がかかってしまいましたが、とても快適な事務所になりました。

快適な環境にするために、まずは「絶対に必要なもの以外は捨てよう」ということ、「よく使うものはすぐに取り出せるように配置を工夫しよう」、この2点を特に大切にしようと考えました。絶対に必要なもの以外は捨てる…、これは簡単そうでなかなか難しいことでした。古い書類の山を紐解くと、10年以上前の書類があちらにもこちらにも押し込められていました。最近では「ペーパーレス」という言葉が盛んに使われ、PDFなどにしてデータ保存できるものは無駄に紙にしないように、という風潮がありますが、10年前は何でも紙にしてファイルに保存するというスタイルが主流だったのですね。

まずは、これらの古い活用されていない紙類をまとめて束ねて廃棄しました。どうしても必要なものはすべてPDFにしました。これだけでだいぶすっきりしました。風通しもよくなった気がします。

次の問題が、書類の廃棄に伴って発生したファイル類やクリアフォルダ、クリップ類でした。本当に恐ろしい量の廃棄文房具が出ました。廃棄文房具と言っても、一部のものを除いてはどれもしまわれていただけなので、それほど傷んでいないものがほとんどでした。これらをまとめて整理し、きれい目のものは他の支店に分けて使ってもらうようにし、使えそうでも傷みが多少ひどいものは、やむなく廃棄しました。紙ファイルなどは、ある程度捨てられそうなものもありましたが、プラスチックファイルやクリップはそうそう簡単にダメになるような作りでもありません。本当は大事にしたいのですがなくなく捨てたものもたくさんありました。小物もたくさんありました。たとえば、消しゴムやはさみ、ステープラー、ボールペンなどの筆記具です。

せっかくきれいにした快適なオフィスです。今後、また同じようなことにはしたくありません。では、どうしたらよいでしょうか。

まずファイル、フォルダ、クリップ類は、書類を保存するために使われていたものです。そうすると、これから紙の情報をどのように整理していくかで解決できそうです。情報は、「今現在進行していて必要としている情報」、「進行形のものではあるけれどしょっちゅう見るものではない情報」、「進行形のものではないけれど廃棄することはできないもの」。だいたいこのような感じで分類できるのではないかと思います。この中で、進行形でしょっちゅう見るようなものは紙としてファイル類に整理し、ある程度体系的に残していくものは、取り出しやすいように工夫しつつデータにします。「しょっちゅう見る」から「保管」に変わった時点で、紙で保管かデータで保管かを決めて、こまめに整理し、フォルダに入れっぱなしにしたり、クリップで綴じて棚に押し込んだままにしないことを、まず徹底して実行するようにするのが目標です。

さらに今回は書棚もいくつか廃棄しました。棚がたくさんあるといくらでも保存してしまいそうだったので、思い切って少なめにし、なおかつ棚に余裕を作ることを目標に整理をしました。自宅の片づけをしたときにも実感しましたが、入れ物を増やすより、もともとの入れ物にあわせていらないものを片付けるのが重要ではないかと思っています。そうすることで無駄なものを買うことも少なくなり、自然にどうしても必要なものだけ買う習慣がつきそうです。

以前、雑誌の記事で、服を買うときは買った数と同じ数の服を捨てるという人の話を読んだことがあります。捨てるというともったいないという意識が先に立ちますが、常日頃、持っている入れ物を意識するだけで、もしかしたら必要かもしれないから買うという中途半端は確実になくなりそうです。
「もしかしたら使うかもしれないから」、「安いから買っておこう」の防止には、厳選した良いものを買うというのも効果があるように思います。

今は要らないけど、「安いから買っておこう」で買ったものは、そのまま忘れてしまったり、雑に使ってしまったりしがちですが、クリップ1つでもいつもより少しだけ高い、そのかわり愛着がわくデザインのものや、使い勝手が優れているものにすることで、かなり大切に使うようになるはずです。100円ショップで買ってきたはさみが見当たらなくなっても、また買えばいいやで終わりです。でも、切れ味の良い、好きな色のはさみであれば、大事に大事に何年も使うと思います。

オフィスだけでなく家庭でも、これからは情報の効率的な整理を常に心がけることで無駄なファイルやクリップ、フォルダを買わないこと、入れ物を増やさず常に収納能力の1割程度の余裕を残すこと、また残せるような買い方をすること、安いだけで買うよりは(もちろん倹約も大切ですが)絶対必要なものについて愛着を持てるものを買うこと、を意識して職場環境(自宅も・・・)を作っていきたいと思います。




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