池田 陽一

友、遠方より来てね (2009年12月号)

活動する都道府県:石川県
所属団体:石川県立明和養護学校

 私は、知的障がいのある子ども達の学校の教員です。知的障がいとはいわゆる知恵遅れのこと。少し前までの法律用語は精神薄弱でした。

 平成16年4月、今の勤務先への異動と同時に初代環境保全活動・環境教育推進担当者チーフに“まったくの未経験かつ無知であるのに”大抜擢(?)されたのが、エコとの出会いです。知恵遅れの子ども達に合った環境学習を求めて、休日はできるだけ石川県の県民エコステーション(兼)地球温暖化防止活動推進センターに通いました。3R検定は、そうした自分がどれくらい正しい知識を持っているかを知るために自ら進んで受験しました。

 第1回検定で合格できたことは(正直運もありましたが)とても嬉しかったです。また、受験会場にとても近かった憧れの京エコロジーセンターを受験直後に訪問できたことも、その後の私にとって大変参考となりました。

 勤務先での環境学習の基本は、日々「分別」と「節約」を先生方にお願いして実践していただくことです。「買い物学習」の際も、「調理学習」の際も、毎日の「清掃活動」の際も、エコを意識していただけるよう具体的な提案をしています。知的障がいがあっても、できる範囲で環境のことを考え行動できる人間を育てる……そんな使命感をもって担当しています。

 今年は、明和養護・ユニー(株)・金沢エコライフくらぶ・石川県環境部地球温暖化対策室・環境省中部環境パートナーシップオフィスという、【学校】×【企業】×【環境市民団体】×【行政】のコラボレーションで、日本初(?)の知的障がいの子ども達のための環境学習ワークシートをつくりました。

この体験で、知的障がいの方が理解できるものというのは、実はより多くの人々にとってよりわかりやすいものである……との再認識ができました。いわゆるユニバーサルデザインです。 今後も、しっかりと勉強していきたいと思いますのでみなさま、ご指導よろしくお願いします。

 これまでの取り組みは、『いしかわ環境情報交流サイト』 http://www.ishikawaweb.jp/kankyou/ →「みんなの情報」タブ→「明和」 を入力し“検索”していただければ、見ることができます。

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