Vol.200『サーキュラーエコノミーへの取り組み』中辻 順

 

 


『サーキュラーエコノミーへの取り組み』

中辻 順

中辻産業株式会社 代表取締役社長


 当社は製造業とリサイクル業の異業種を併せ持つ、動脈産業と静脈産業が共存している企業です。

 製品を「作り」ながら、もう一方では製品を「潰す」のが仕事ですが、最近は簡易解体が可能な電子機器類が減ってしまったので、作業員が解体・分解するのに多大な労力と時間を費やしています。今となっては、「環境配慮設計」と言われていたひと昔前のノートパソコンなどバッテリー交換は消費者自身で出来ていましたが、薄型ノートPCやタブレット端末、スマートフォンの普及により消費者が自身で出来なくなっただけでなく、プロであるリサイクル業でも日々苦戦する機器の構造になってしまいました。

 更に問題を複雑にしているのはバッテリーの存在です。小型家電リサイクル認定事業者である当社では、情報機器だけでなく、その他小型家電も再資源化処理をしていますが、最近は新しい電子機器類のどこにバッテリーが使用されているのか分からないケースが多いのです。知らずに破砕工程に送ると発火し火災を引き起こす危険があるので、安全性を担保するために全て手解体によるバッテリーチェックを実施しています。

 ここまで手をかけてリサイクル処理をする理由の1つにCE(サーキュラーエコノミー)への移行があります。特に小型家電と呼ばれる電子機器類は電子基板、筐体のプラスチック、バッテリーなど再生資源化に取り組むべき素材や構成部品が多いので、生産性や経済合理性の観点から、最近は高度機能選別機を導入して自動化・省力化に取り組むと同時に、各種資源の高度な選別による再資源化率と付加価値の向上に取り組んでいます。

 

   中辻 順

【プロフィール】

中辻 順(なかつじ じゅん)

中辻産業株式会社 代表取締役社長
一般社団法人小型家電リサイクル協会 理事

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