Vol.77 「地球温暖化防止・低炭素社会への川崎市民の取り組み」 竹井 斎



「地球温暖化防止・低炭素社会への川崎市民の取り組み」

 

竹井 斎

○取り組みの始まりと現在
川崎市は「川崎市の地球温暖化防止への挑戦~地球環境保全のための行動計画~」を1998年10月に策定し、翌1999年に「川崎市地球環境保全行動計画推進会議」を組織した。推進会議は市民部会・事業者部会・学校部会・行政部会からなり、5つのテーマ(エネルギー・ライフスタイル・交通・みどり・廃棄物)を柱に、部会毎、部会間の協働の取り組みを開始した。
 市民部会も公募市民が集まり活動を開始。その後「かわさき地球温暖化対策推進協議会」を経て、2010年12月に「川崎市地球温暖化防止活動センター」(以下「センター」)の指定をアクト川崎が受け、活動を引き継いでいる。2011年5月には市民部会メンバーを中心に「川崎市地球温暖化防止活動推進員」(以下「推進員」)が市長から委嘱され、現在、79名が活動している。

○推進員の活動とセンターの役割
 推進員は地球温暖化防止に関する自らの実践、普及啓発、実践活動のアドバイス、創意工夫による地球温暖化防止の推進等を行うとされている。川崎では4つの実践活動プロジェクト(グリーンコンシューマーグループ・省エネグループ・ソーラーチーム・3R推進プロジェクト)が全市的に活動するとともに、市内7区でそれぞれ組織を作り、区毎の地域に根ざした活動を行っている。
 センターは「中間支援機能」として活動しているが、拠点としての「CCかわさき交流コーナー」では普及啓発として、毎月、テーマに応じた展示と講座を実施している。特に、夏休み・春休みには、市民団体・企業を講師とした小学生向けの工作・体験講座を行い、人気を集めている。また、家庭のCO2削減を進める「うちエコ診断」、廃食油の回収・BDF化推進、ソーラーシェアリング普及、農と地産地消など、地域における実践モデルの活動支援、ネットワーク連携強化にもチャレンジしてきた。

○活動を振り返って、これから
 2000年、温暖化防止への取り組みが始まった頃、川崎市人口は125万。対して、我々パートタイムボランティアは約40名。自嘲まじりに「砂漠に水を撒く様な活動ですね」と言いながらも、地道に取り組んできた。今、147万人に増えた川崎市。地道な活動は変わらないが、推進員制度が始まり、センターという拠点に何時でもスタッフがいるという環境が出来た。これから、ますます、低炭素化、CO2削減につながる活動が求められている。
 小学校で子どもたちの前に立つことは、真剣に聞いてくれ、驚いてくれ、楽しい時間である。そんな楽しさをセンターでも出来ないかと、月一回の体験・工作や野外活動に、継続的に参加してもらう「子どもエコちゃんずクラブ」を始める。子どもたちが青年・大人になっても、スタッフとして手伝ってくれることを夢見ている。息の長いものにしたい。
 この夏、あるイベントで高校生、大学生のボランティアを公募した。10数人集まり、一日、自然を楽しみ、子どもとの触れ合いを持った。若い世代との関わりは、どう接したらよいのか、ワクワクドキドキである。いろいろな世代にアプローチしていって、この「業界」を知ってもらう、関わってもらうことが大切と考える。まだまだ、やれることがある。

○3R・低炭素社会検定合格の皆さんへ
 皆さんの住んでいる地域、55の各都道府県・指定都市等に、推進員制度があり、センターも活動している。一人では活動を始めることは難しいけど、仲間がいると何とかなるもの。ぜひ、お近くのセンターを訪問し、推進員となり、活動を始めてみませんか。

参考URL:
 ・特定非営利活動法人アクト川崎
  http://homepage3.nifty.com/act-k/
 ・川崎市地球温暖化防止活動推進センター
  http://www.cckawasaki.jp/kwccca/

Vol.77竹井さん

竹井 斎

 

【プロフィール】
竹井 斎(たけい ひとし)

1956年北海道北見生まれ、1979年から川崎でサラリーマン開始。30才過ぎから、里山、環境保全、まちづくり、生涯学習などの活動を始める。2006年仲間とNPO法人アクト川崎を設立。2010年川崎市から地球温暖化防止活動推進センターの「指定」を受けたのを機に会社退職し、センター長として現在に至る。


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