福島第1原子力発電所(以下原発という)の事故による福島市の放射能汚染の対応状況


福島第1原子力発電所(以下原発という)の事故による福島市の放射能汚染の対応状況



阿部 陽三


 現在、私の住んでいる福島市では放射線の除染作業(住宅)が進行中です。

  今回は放射能汚染の除染に関して報告します。 

 除染の優先順位をどのように決めたかは理解しておりませんが、福島市危機管理室の資料によると、 
1.公共施設等:小中学校や公園など、多くの人が集まる施設、 
2.地域ホットスポット:放射線量が周辺より高いと認定されたところ、 
3.住宅除染:法令に基づき基準以上の地域、となっております。
除染作業は2011年夏季頃から放射線量の高い小中学校の校庭からスタートしたと記憶しています。
現在の所、上記の1,2.が終了し、3.の住宅除染が2013年に始まりました。


その経過は次の通りです。

2013年2月・・・福島市民へ除染に関する説明会が各地区で開催されました。
           説明内容は①区域内の除染の順序、②除染実施内容、
                         ③除染管理基準(住宅)の概要、④洗浄水の処理、
                         ⑤除去土壌の保管に関するガイドライン、⑥現場保管について、
           ⑦仮置き場の設置、⑧除染実施同意書、⑨除染に関するQ&Aなどです。

2013年4月・・・除染委託業者は除染作業開始から終了までのスケジュールを1軒ごと
                         各家庭へ説明。

2013年5月・・・3者立会い(世帯主、福島市、除染業者)のもと放射線量の測定。
                         玄関先、庭、室内等。

2013年6月・・・土地・家屋の測量調査。除染面積、建物の面積及び形、芝生の面積など                           測量し図面化。

2013年7月・・・除染前のモニタリング調査。建物の屋根、雨どい、壁、庭、車庫などの
                         線量測定。

2013年7月・・・洗浄水による除染作業。屋根・壁・雨どい・ベランダ・倉庫・車庫などを
                         洗浄。土地の面積、建物の大きさ・複雑さ、立地場所、などで所要工数が                            違います。
           足場を組んでの作業で解体まで含めて、私の家の場合5~7名で約3日。

2013年11月・・・表土除去の除染作業。草木除去・剪定、庭・敷地内。写真① ②
             除去した土壌は中間仮置き場が出来るまで、各宅地内に保管します。
                           写真③。
             除染後の線量測定。測定結果はまだ報告書が届いておりません。
             私の家の場合5~7名で約4日。

原子力発電は低炭素社会にとって、大変有効な方法でありますが、一方では核燃料を含め施設・設備などが廃棄物になった時の取扱い、保管、処理ついては、まだ未解決の難しい問題が多くあり、原発の賛否が社会問題の争点になっているのは会員皆様のご承知の通りです。
 他県で原発を抱えているところは事故が起きても緊急事態にならないよう、施設・設備などインフラの保護・防護の必要性を強く思います。
 福島県内の各地の放射線量についてはNHK福島のテレビとラジオで朝・昼・夕方の1日3回放送されています。放射線量は放射能汚染に関わる地域に生活している住民にとって大きな関心ごとであります。

写真①写真②写真③
 写真① 表土の除去、庭・玄関前 写真② 雨どいの下は線量が高          く、深さ約50㎝除去 写真③ 除去した土壌。約10トン。


ページの先頭へかえる