川が教えてくれること

川が教えてくれること


川が教えてくれること

私の地元の小学校では、毎年秋に、全校児童と父母や地域の方々が参加して、近くを流れる1級河川の河川敷を清掃します。10年以上も続いている取組です。

初期の頃は、「危険だから」という理由で、川には近寄らずに河川敷だけでごみ拾いを行っていました。70リットルの袋いっぱいに詰まったごみが40~50個も山積みになるほど集められました。児童は、誰が一番多くごみを集めたとか、大物は誰が発見したとか、競い合って河川敷に散乱している物を集めます。その成果です。高学年の児童が実行委員を務め、児童が主体的に取り組むことも教育効果があったでしょう。

その清掃活動に娘と参加していた私は、校長先生に「せっかく川に行ったのだから、川の中をのぞいてみてはどうか」と提案しました。私は、当時からこの川や近くの山で自然観察会を主宰していましたので、この川に多様な鳥や魚たちが暮らしていることを多くの子どもや大人も知らないことを知っていました。身近にある自然をまず知って欲しいと思いました。

川をのぞいてみると、干潮で浅くなった川底に自転車やタイヤが沈んでいて、そのかたわらに大きな鯉が泳ぎ、コサギがエサを探しています。ある児童が「川が汚されてかわいそう」だと言いました。「なぜこんなに水が汚れて臭いのか」と質問する子もいました。「もっと自然と触れ合いたい」、「この川で暮らす生き物たちを守りたい」など、今までになかった児童からのメッセージがアンケートに書かれていました。

この回をもって「○○川クリーン・アップ大作戦」は、「ごみ拾いイベント」から「環境教育」に変わりました。


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